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近頃、巷で人気のオシャレなロゼッタ(=Rosette)。

元々は勲章やメダルを適切に身に付けられるようにと細工を施した花結びの飾りが、広く一般にも親しまれるようになり、エレガントな装いからカジュアルなアクセサリーまで、様々なシーンで見かけるようになりました。

言葉の由来はもちろん、薔薇=Rose。ただ、幾重にも花びらを重ねた円形のモチーフは古今東西、その栄誉を称えるだけでなく、建築や彫刻にも多用され、何も今更取り立てて話題にするような物でもありません。

それでも、馬を語るにあたり今一度。実は、競技馬術の表彰式では、馬たちにロゼッタが贈られているのです。

通常は大会のシンボルを中心に、その周囲を順位ごとに色分けしたリボンで飾ります。大きさは人が身につけるよりふた回りほど大きく、優雅に棚引くようにと、裾が長く作られているのが特徴です。

かつてはオリンピックでもメダルの色に合わせリボンで装飾され、一般の大会ではブルーリボンが優勝の証として、競技を目指す人馬の憧れでもありました。

 

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ただ、「目指すはブルーリボン!」と思い込んでいるのは日本の他に、アメリカやオーストラリアのようで、実は国によって1位の色は様々です。イギリスやカナダ、ニュージーランドでは赤が1位、オランダではオレンジ、変わったところではチェコの1位は黄色なのだそうです。

そんな、各国の事情を知ってか知らずか、最近では大会のイメージカラーやスポンサーカラーに彩られた豪華なリボンも登場するなど、その様式は多種多様。

それでも、馬を讃える心は変わらず、今でも世界中の馬術大会で、必ずこのロゼッタが馬たちに贈られています。

 

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MILKY KORA

馬ジャーナリスト / Maraque編集長。京都生まれ。
幼い頃から馬術を嗜み、乗馬専門誌の編集を経て馬ジャーナリストとして独立。2010年に世界最高峰のホーススポーツを伝えるEquine Journal Maraqueを、さらに2014年にはより専門性の高いMaraque for Professionalを創刊。現在は日本で唯一のホーススポーツ専門誌として発行を続ける傍ら、ライダーのマネジメントや馬イベントの開催など馬に関する幅広い活動を行っている。