この程、フランスのポロ連盟(=FFP=French Polo Federation)とシャンティイ ポロ クラブ( Chantilly Polo Club)は、2023年6月8日から18日までの日程で、ポロのネーションズカップを開催すると発表しました。

歴史あるポロ競技において、”ネーションズカップ”が開催されるのはこれが初めてのこと。

さらに、これを足掛かりに2024年のパリオリンピックでも非公式種目の一つとして実施し、ポロの世界的な普及へと繋げるというのです。

そもそも、ポロにご縁の薄い日本にとっては遠い他所の国の話ではありますが、愛好者の多いフランスでは真剣そのもの。

1900年の第2回、1924年の第8回、過去2回のパリオリンピックでは公式種目として実施されたこと、さらに、その丁度100年後に当たる2024年のパリ大会は、再びポロをオリンピックの舞台に呼び戻す絶好の機会!と目されたのでした。

とはいえ、世界一のポロ大国・アルゼンチンを以ってしても、推定されるプレーヤーの数は5千人程度。比較的盛んなアメリカやイギリス、フランスでもそれ以下となれば、成立する試合の数すら不透明。

そこで、各チーム2人まで外国人プレーヤーの加入を認め、「国」に限らず地域や州単位でチームを構成し、対抗戦を行うのだそうです。

ただ、過去を遡れば「ミックスチーム」は珍しいことではなく、1900年のパリオリンピック・ポロの優勝は、なんと!英米の合同チーム。金メダリストとして正式に記録されています。

ちなみに、ポロが実施された過去の5回のオリンピック・金メダリストは以下の通り。

1900年/パリ大会=英米の合同チーム

1908年/ロンドン大会=イギリス

1920年/アントワープ大会=アルゼンチン

1936年/ベルリン大会=アルゼンチン

ポロは、オリンピックの公式種目から除外されてもなお、現在に至るまで”オリンピックファミリー”のメンバーであり続けています。国際ポロ連盟(FIP=Federation of International Polo)は、1983年に設立されたIOC承認国際競技連盟連合(ARISF=Association of Recognised International Sports Federations)にも加盟し、オリンピック復帰の機会を待っているのです。

広大なフィールドを駆け回る人馬は1チーム4組。一人のプレーヤーが抱える馬の数は4頭。想像するだけでも世界的な普及は遥か夢のようにも思えますが、それでも、パリオリンピックのポロが楽しみでなりません。

MILKY KORA

馬ジャーナリスト / Maraque編集長。京都生まれ。
幼い頃から馬術を嗜み、乗馬専門誌の編集を経て馬ジャーナリストとして独立。2010年に世界最高峰のホーススポーツを伝えるEquine Journal Maraqueを、さらに2014年にはより専門性の高いMaraque for Professionalを創刊。現在は日本で唯一のホーススポーツ専門誌として発行を続ける傍ら、ライダーのマネジメントや馬イベントの開催など馬に関する幅広い活動を行っている。