「あなたの馬の大きさは?」

と聞かれたら、どのように答えましょうか。

身長でしょうか、体重でしょうか。

それとも、ただ漠然とした見かけであれば何に例えましょうか。

そんな時に、古くから便利に使われていたのが人の「手」。

特にイギリスやアメリカでは、長い間、馬の体高を「hands high = hh」で表してきました。

もちろん、今ではメートルなどの国際単位系に基づいた表記が基本です。

ただ、馬のおおよその大きさを知りたければ、hhでも十分なのです。

 

そもそも、手に由来する長さの単位も様々あり、

(上記写真参照)

1: シャフトメント(Shaftment)

2: ハンド(Hand)

3: パーム(Palm)

4: スパン(Span)

5: フィンガー(Finger)

6: ディジット(Digit)

中でも、hhは人間の男性の手の甲の幅又は握り拳の高さに基づいているとされています。

 

また、馬のどの部分を測定するかも重要なポイントになります。

元来、馬は動く物であり、人のように直立不動の姿勢を取ることはまずありません。

そこで、四肢の状態や首の上げ下げの影響を受けにくく、安定的に測定できる位置として、首の付け根、肩の上部にある鬐甲(きこう=Withers)の頂点の高さを体高とすることが決められました。

ポロや馬術競技などでは、スポーツのルールとして馬の体高に制限が設けられていることもあり、より正確な測定と単位の統一が定められていますが、それでも、やはり馬のことですから、地面の状態、蹄鉄の有無、さらには運動の前後によっても数センチ単位で誤差が生じるのが現実です。

ちなみに、1ハンドは4インチ。10.16cm。

私の馬の体高は、おおよそ168cmですので、66インチ。

ハンドでは、16ハンドと1/2ハンド。

この場合、16.5ハンドでは無く、16.2hhと記し、16ハンドと2インチと読むのだそうです。

ただし、実際にやってみると私の手では19ハンド?!

予想以上に自分の手が小さいのか、10.16cmの手が大きすぎるのか?!

皆さんもぜひ一度、お試しください!!

MILKY KORA

馬ジャーナリスト / Maraque編集長。京都生まれ。
幼い頃から馬術を嗜み、乗馬専門誌の編集を経て馬ジャーナリストとして独立。2010年に世界最高峰のホーススポーツを伝えるEquine Journal Maraqueを、さらに2014年にはより専門性の高いMaraque for Professionalを創刊。現在は日本で唯一のホーススポーツ専門誌として発行を続ける傍ら、ライダーのマネジメントや馬イベントの開催など馬に関する幅広い活動を行っている。