Spring has come!!

ほんの数日前まで「寒い」「寒い」」と背中を丸めていたのが嘘のような3月の始まりとなりました。

ところが、麗かな春の日差しとは裏腹に、多くの人を苦しめるのが花粉症。

症状の出る方にとっては辛い季節の到来でもあります。

最近では、人だけでなく共に暮らすペットたちの花粉症も話題になりますが、であれば?

もちろん、馬にもあります!

ただ、正確には人の花粉症とは少し異なり、文字通りHay Fever。

Hay=干草

Fever=熱

ですから、もう少し広義で捉えられているようです。

また、時期的にも暖かい季節全般に共通し、風の強い日や急激な気温の変化などでも起こります。特に若い馬より年齢の高い馬に多く発症し、「鼻水」のような一般的な花粉症の症状よりも肺や呼吸器に症状が出ることが多いのも特徴の一つです。

というのも、元々馬は長い鼻は、埃や花粉などのアレルギー反応を引き起こす原因となる物質を排除する機能に優れているので、より深く体内に入り込んでから発症するのです。

もちろん、馬は自ら「しんどい」とは言えませんから、体調の悪化を行動で示します。

最も顕著な症状は「咳」と「頻繁に首を振る」こと。また、騎乗したりパフォーマンスを求めている状況であれば、「無気力」や「集中力の低下」なども察知しやすい変化かもしれません。

さらに、涙や鼻水の増加も見られ、インフルエンザなどの重篤な風邪の症状に似ていると言われています。

ただ、馬のHay Feverが時期的なアレルギー症状というだけでなく、慢性的な病気に繋がる可能性もあります。多くの場合、アレルギーの誘発物質は干し草や敷料の埃、カビ、ダニなどだと考えられますが、それらを全て排除することは非常に難しく、肺炎や喘息の症状が一度出てしまうと、長引いたり、繰り返したりと完治が困難になるのだそうです。

人によっては「花粉症の時期が来たな~」と時期が過ぎ去るのを耐える方も少なくありませんが、馬の場合は少しでも馬に気になる仕草を見つけたら、ぜひ早急に獣医師の診察を受けてください。

馬たちが心地よい春を過ごせますように。

MILKY KORA

馬ジャーナリスト / Maraque編集長。京都生まれ。
幼い頃から馬術を嗜み、乗馬専門誌の編集を経て馬ジャーナリストとして独立。2010年に世界最高峰のホーススポーツを伝えるEquine Journal Maraqueを、さらに2014年にはより専門性の高いMaraque for Professionalを創刊。現在は日本で唯一のホーススポーツ専門誌として発行を続ける傍ら、ライダーのマネジメントや馬イベントの開催など馬に関する幅広い活動を行っている。